■踊りまわり(22)−制作インターンシップ−

 小暮宣雄<京都橘女子大学教員>

 嬉しいことに、うちの学生たち(とくに3回生ゼミは「まちと音楽との直接交通」をテーマに、チンドン隊づくりがはじまっている:写真参照)に対して、ダンスグループや劇団から、公演のお誘いや「ボランティアになりませんか」という呼びかけをしてもらえるようになった。このまえもアートシアターdBの横堀さんが舞踏手の鎌田さんを連れて大学に来られ、地域芸術文化振興論という授業において貴重なお話しのあと映像を見せてもらったし、劇団衛星代表の蓮行さんとプロデューサー原田さんからは、数ヶ月の劇団インターンシップ(「演劇徒弟」といった方が正確かも知れない)募集に関わって来橘していただき、思いがけず蓮行さんからNAM理論という独自のマネジメント評価指標をも発表してもらった。
 冗談のように、これらゲストの活用を、無料の「貸し授業」方式と呼んでいる。が、教員の授業では退屈しがちな学生にとってはもちろん、実際にいま実践しているアーツ企画者にとってもプレゼンテーションの練習の場としてずいぶんと役立っているのではないかと内心思っている。文化政策を学ぶ学生といってもコンテンポラリーダンスについて何も知らない人たちだから、そこにどうしたら少しでも届く言葉を発するっことができるかという課題はなかなかにむずかしいものだからだ。それに、謝金を払うとなるとお互い手続きやら準備やらから大層なことになるが、これだとそれぞれのメリットを交換しあえる限りは、気易い関係を互いに保持できる。
 とくに制作インターンシップについては、アーツマネジメントを学ぼうと本学に入った学生にとってとてもありがたいお誘いである。大学として京都芸術センターや府立アルティ、大阪市立芸術創造館などへのインターンシップをはじめて数年になるが、ただホールマネジメントを実際に体験することだけではなく、それに続いて創作するシーンにも関係することは、よりアーツ自体へのまなざしを深め、享受側と創出側、そしてつなぎ手の関係をそれぞれに理解できるきっかけになる。もちろん、アートコンプレックス1928やアトリエ劇研に入り浸って自主的にインターンシップみたいにさせてもらっている学生もいて、このパンプレスなどメディア関係にももっと学生たちが関わればいいなあと思っている、後記事の編集やインタビュー記事のまとめというのは大事なマネジメント課題だから。
 最近、アーツマネジメントに関する本も次々と出てきているし、大学においてもそれを標榜するところが増えてきている。学会への新規加入者も少しずつ増えてきた(http://www.artsmanagement.jp/。今年の全国大会は11/20鳥取県のお屋敷にて)。そろそろ、アーツマネジメント関連の就職サイトとか最低限身に付けるべきことだとか(「資格」制度の検討問題)、形ばかりだとよくないという批判をつねに意識しつつ考えるべき時期なのだろうかしらと、指定管理者制度導入でおどおどしている公立ホール(文化財団)主催のセミナーに出たりすると逆に思ったりする今日この頃である。

近くの岩屋神社で
京都橘女子大学チンドン隊の
練習開始

P.A.N.通信 Vol.52掲載