■ワークショップの必要性

 杉山準<演劇プロデューサー>

演劇やダンスの「ワークショップ」なる言葉を良く見かけます。
 もともとこの行為の発祥地ヨーロッパでは、技術習得の場、進行役を務める演出家(振付家)との創造性を高める場、そしてプロの俳優にとっては、演出家やプロデューサーと出会い、を得る場としてとらえられています。「仕事」に結びつくチャンスがあるか、ないかという点に我が国との差を感じます。つまり我が国では、それが出演機会やひいては、仕事につながるという期待感がうすいのです。ワークショップが「講座=お習い事」ととらえられがちなのはそのためと推測できます。
 初心者や一般市民対象のもの、特定の技術や問題に目的を絞ったもの、色んなタイプのワークショップが存在することはとても良いことだと思います。それによって、公演する以外で演劇やダンスが認識されたり、技量向上の機会をもったりできるわけですから。でも、専門的な人向けのものは、いい仕事(出演機会)につながる可能性がもう少しあればと思います。それによって、参加者もチャンスを求めて、全力で取り組めるし、ワークショップの質も充実するし、ひいては作品の向上にもつながると思うのです。

「京都芸術センター現代演劇俳優セミナー 試演会より」

P.A.N.通信 Vol.36 掲載